福岡トレンド

2015.06.19/INTERVIEW

「博多伝統工芸」ー博多人形「梶原正二」先生

今夏「フクオカ・プサン カフェ」では、世界に誇る博多の「伝統工芸」をテーマに、博多人形、博多織、博多鋏(はさみ)など、様々なジャンルの先生と工房を取材して連載記事でご紹介します。是非、ご覧ください!

第一回は、博多人形師を代表して「梶原正二」先生にお話を伺いました。先生は高度な技術を保持する「伝統工芸士」に認定されており、新作博多人形展において最高の栄誉である内閣総理大臣賞を2度も受賞された名匠です。

・博多人形の歴史を教えてください。
いろんな説はありますが、博多人形の歴史は1600年代黒田家が福岡城の藩主だった時代に起源があり、400年を超えるともいわれています。今のように「博多人形」と呼ばれるようになったのは明治30年代で、当時のパリ万博で高い評価を受けて世界的にも有名になりました。
1970年代に新幹線が東京から博多駅まで開通した際には、福岡・博多のお土産物として博多人形は大変な人気を博しました。しかし、その人気も近年は陰りが見えており、今こそ変わるべき時ではないかと思っています。賞を取るための作品を作るのも大事ですが、やはりお客さんが求める作品、売れる商品を作ることについてもっと考えて、「産業」として再認識すべきではないでしょうか。

・博多人形の特徴は何ですか。
博多人形は日本の他の土人形と違って、西洋芸術である彫刻や油絵の技法が取り入れられています。複製のための型取りは石膏を用い、彩色にも様々な絵の具を使うなどした結果、色鮮やかで、かつ繊細な写実的作品ができあがります。この「写実性」こそ、博多人形の一番の特徴といえるのではないでしょうか。

・作品の制作について教えてください。
作品によって差はありますが、構想だけで1~2年かかる作品もあります。制作はすべての過程で気を抜くことができず、常に修正を行い、補完していきます。最近は、作品は「正直に思ったもの」を作れば良いものができると思うようになってきました。

・現在、お弟子さんはいらっしゃいますか。
独立した弟子が二人と住み込みの弟子が二人います。ここでは10年間継続して修行してもらうことが約束で、独立する頃には一番難しい、作品の顔を描く作業までできるよう指導しています。厳しいようですが、きちんと商品となる作品を作り、独立後にしっかりと自活できるようにするためです。

この日工房には、ずっと眺めていたくなる美しい作品や微笑ましくて可愛い作品が展示されていました。また、猫をあしらった人形もたくさんありましたが、愉快なポーズや表情をした猫たちを見ていると、こちらも自然と笑顔になり、楽しくなりました。「梶原先生の作品は優しく、穏やかな雰囲気で、先生の人柄をよく表している」との評判を聞きましたが、本当にその通りだと感じました。

先生の作品を求めて日本全国、遠くは北海道からもお客さんが来て、毎年工房を訪れるファンもいるそうです。韓国との縁もあって、釜山やソウルでの展覧会にも数回参加されました。韓国の方の印象を聞くと「日本人に優しい、忠実に接してくれる」と答えてくださいました。

作品は、取扱店やインターネットでも購入が可能で、毎年2月には「お雛様祭り」が1週間工房で開催され、300人を超えるお客さんが集まるそうです。

「工房の情報」
住    所:福岡県福岡市早良区大字小笠木617-4
電    話:092-804-3224
ホームページ:http://www.tsuchinohana.jp/

その他のトレンド一覧

記事一覧へ

2016.11.01/

スタートアップ!福岡-「トレーディネート株式会社」 

今回のスタートアップ特集は「トレーディネート株式会社」です。代表取締役の太田健司様と営業チームリーダーの太田郷子様にお話しを伺いました。 ・まず,会社紹介をお願いします。 貿易に関する事なら何でも行います。海外進出に興味…

interview

2016.09.26/

スタートアップ!福岡-「柳星翻訳株式会社」

今回のスタートアップ特集は「柳星翻訳株式会社」です。代表取締役社長の柳承福様にお話を伺いました。 ・まず,会社紹介をお願いします。 長年,大手翻訳会社の下で翻訳のフリーランサーとして携わっていましたが、2016年8月31…

interview

2016.07.14/

「スタートアップ!福岡」-福岡市スタートアップの拠点「福岡市スタートアップカフェ」

今年の「フクオカ プサン カフェ」連載テーマは、今、世界で注目を浴びている「スタートアップ(創業・起業)」です。特に、福岡市はグローバル創業・雇用創出特区として国の指定を受け、日本全国はもちろん、海外からも関心が高まって…

interview

2015.12.15/

展覧会のお知らせ-「日韓近代美術家のまなざし─『朝鮮』で描く」

福岡アジア美術館では「日韓近代美術家のまなざし─『朝鮮』で描く」展覧会を開催します。 本展は、20世紀前半の日本と韓国の美術、そして美術家どうしの交流に焦点をあてた展覧会です。 日本による朝鮮半島の統治という社会的矛盾に…

column

2015.12.08/

九州唯一のジルベスターコンサート『第九で年越し!』

2014年からスタートした福岡ジルベスターコンサート。2015年は『第九で年越し!』と題し、福岡・博多の新たな年越しカウントダウンイベントとして提唱しています。 ヨーロッパをはじめ、日本でも全国でジルベスターコンサートは…

column

2015.10.22/

「博多伝統工芸」―「有限会社マルティグラス」

連載「博多伝統工芸」の最後は、「有限会社マルティグラス」をご紹介します。透明感があって美しい色のガラス工芸品は、日本はもちろんアジアでも珍しく、高度な技術力が認められ、福岡県知事指定特産工芸品に指定されています。髙田泰良…

interview

2015.09.24/

「博多伝統工芸」―博多織「株式会社サヌイ織物」

今回は博多織の「株式会社サヌイ織物」をご紹介します。サヌイ織物の工房は福岡市西区小戸に位置し、博多織の財布や名刺入れ、ネクタイなど、様々な商品を製作しています。サヌイ織物の讃井勝彦社長にお話を伺いました。 ・貴社の事業内…

interview

2015.09.09/

「博多伝統工芸」―博多織「西村織物株式会社」

今回は博多織の「西村織物株式会社」をご紹介します。西村織物は創業150年の老舗織物屋で、博多織の帯はもちろん、様々な商品を制作しています。その技術の評価は高く、今年度の新作博多織展では「内閣総理大臣賞」を受賞されました。…

interview

2015.09.03/

「博多伝統工芸」―博多織「脇山俊明」さん

今回ご紹介するのは博多織の「脇山俊明」さんです。脇山さんは「博多織デベロップメントカレッジ」の2期生です。 ・博多織を始められたきっかけは何ですか。 ものづくりには以前から興味がありましたが、博多織を始めようと決めたのは…

interview

2015.08.24/

「博多伝統工芸」ー博多人形「西山陽一」先生

今回は博多人形の「西山陽一」先生をご紹介します。西山先生は2014年10月、高度な技術・技法を保持する「伝統工芸士」に30代の若さで認定された、博多人形師の中では、最年少の伝統工芸士です。(平成27年8月現在) ・博多人…

interview

2015.08.14/

「博多伝統工芸」ー博多張子「三浦隆」先生

今回ご紹介するのは博多張子の「三浦隆」先生です。博多どんたくのにわか面や十日恵比須の飾りの鯛などで親しまれている「博多張子」について三浦先生に伺いました。 ・「博多張子」の歴史について教えていただけますか。 張子は中国か…

interview

2015.08.05/

「博多伝統工芸」ー博多人形「稲富昭満」先生

今回は博多人形師の稲富昭満先生を取材しました。先生は「伝統工芸士」に認定されており、3度の内閣総理大臣賞を含む多くの賞を受賞された博多人形の名匠です。伝統的な人形はもちろん、高さ2メートルを超える力士の博多人形や高さ10…

interview

SEARCH

  • What's The Project
  • FUKUOKA BUSAN CAFE for BUSINESS