福岡トレンド

2015.08.24/INTERVIEW

「博多伝統工芸」ー博多人形「西山陽一」先生

今回は博多人形の「西山陽一」先生をご紹介します。西山先生は2014年10月、高度な技術・技法を保持する「伝統工芸士」に30代の若さで認定された、博多人形師の中では、最年少の伝統工芸士です。(平成27年8月現在)

・博多人形を始められたきっかけを教えてください。
 小学生の時、将来の夢を「職人」と書きました。先生からは家具職人はどうかと言われましたが、芸術品の職人になりたいと思っていました。高校も芸術系の学校に進学し、彫刻・デザイン・油絵・陶芸などに接することができました。博多人形とはある展覧会で出会い、今まで学んだ、そしてやってみたい全ての技法を博多人形作りで応用できると思い、始めました。博多人形商工業協同組合と福岡市が実施する博多人形師体験講座(現:博多人形師育成塾)で本格的に習い、4年で独立しました。

・先生が思う博多人形の魅力とはなんですか。
美術品として、また芸術品として確立していることだと思います。当初、彫刻家になりたいと思っていましたが、美術品としてしっかり確立している博多人形に魅了されるようになりました。

・制作過程で心掛けていることはありますか。
博多人形は伝統工芸なので、伝統技法を100%守りながら作ろうと心掛けています。例えば、人形に色を塗る絵の具ですが、胡粉(貝殻でできた白い粉)も使っています。絵の具を準備するだけでもかなり時間がかかり、胡粉を使わない技法と比べて倍近く手間がかかりますが、やはり伝統技法で彩色した方が、発色も良く、特に赤などは黒ずむことなく美しく見えます。

・博多人形のこれからについてどう思われますか。
最近は、博多人形を含め、伝統工芸の面白い部分だけ注目される気がしますが、伝統工芸である以上は伝統の技法にもっと注目して欲しいですね。私自身も伝統をしっかり守りながら、多様な作品を作っていきたいと思っています。海外に関しては、ソウルと釜山の展示会に出品し、釜山での展示会では売りたかった作品がすぐに売れたと言う報告が聞けて嬉しかったです。また機会があれば参加したいですね。

・最後に、ホームページをご覧の方にお一言お願いします。
日本と韓国の伝統工芸の交流などもやってみたいです。

この日、粘土でできた人形の原型を拝見できましたが、顔の表情や装飾物の細かい部分まで美しく表現されていて、匠の素晴らしさを感じました。人形の素材として能物が一番お好きだという西山先生は、有名人やキャラクターの博多人形を作るなど、伝統を守りながら新しい作品に挑戦しておられます。

・工房の詳細
住所:福岡県福岡市城南区松山2丁目11-23

その他のトレンド一覧

記事一覧へ

2016.11.01/

スタートアップ!福岡-「トレーディネート株式会社」 

今回のスタートアップ特集は「トレーディネート株式会社」です。代表取締役の太田健司様と営業チームリーダーの太田郷子様にお話しを伺いました。 ・まず,会社紹介をお願いします。 貿易に関する事なら何でも行います。海外進出に興味…

interview

2016.09.26/

スタートアップ!福岡-「柳星翻訳株式会社」

今回のスタートアップ特集は「柳星翻訳株式会社」です。代表取締役社長の柳承福様にお話を伺いました。 ・まず,会社紹介をお願いします。 長年,大手翻訳会社の下で翻訳のフリーランサーとして携わっていましたが、2016年8月31…

interview

2016.07.14/

「スタートアップ!福岡」-福岡市スタートアップの拠点「福岡市スタートアップカフェ」

今年の「フクオカ プサン カフェ」連載テーマは、今、世界で注目を浴びている「スタートアップ(創業・起業)」です。特に、福岡市はグローバル創業・雇用創出特区として国の指定を受け、日本全国はもちろん、海外からも関心が高まって…

interview

2015.12.15/

展覧会のお知らせ-「日韓近代美術家のまなざし─『朝鮮』で描く」

福岡アジア美術館では「日韓近代美術家のまなざし─『朝鮮』で描く」展覧会を開催します。 本展は、20世紀前半の日本と韓国の美術、そして美術家どうしの交流に焦点をあてた展覧会です。 日本による朝鮮半島の統治という社会的矛盾に…

column

2015.12.08/

九州唯一のジルベスターコンサート『第九で年越し!』

2014年からスタートした福岡ジルベスターコンサート。2015年は『第九で年越し!』と題し、福岡・博多の新たな年越しカウントダウンイベントとして提唱しています。 ヨーロッパをはじめ、日本でも全国でジルベスターコンサートは…

column

2015.10.22/

「博多伝統工芸」―「有限会社マルティグラス」

連載「博多伝統工芸」の最後は、「有限会社マルティグラス」をご紹介します。透明感があって美しい色のガラス工芸品は、日本はもちろんアジアでも珍しく、高度な技術力が認められ、福岡県知事指定特産工芸品に指定されています。髙田泰良…

interview

2015.09.24/

「博多伝統工芸」―博多織「株式会社サヌイ織物」

今回は博多織の「株式会社サヌイ織物」をご紹介します。サヌイ織物の工房は福岡市西区小戸に位置し、博多織の財布や名刺入れ、ネクタイなど、様々な商品を製作しています。サヌイ織物の讃井勝彦社長にお話を伺いました。 ・貴社の事業内…

interview

2015.09.09/

「博多伝統工芸」―博多織「西村織物株式会社」

今回は博多織の「西村織物株式会社」をご紹介します。西村織物は創業150年の老舗織物屋で、博多織の帯はもちろん、様々な商品を制作しています。その技術の評価は高く、今年度の新作博多織展では「内閣総理大臣賞」を受賞されました。…

interview

2015.09.03/

「博多伝統工芸」―博多織「脇山俊明」さん

今回ご紹介するのは博多織の「脇山俊明」さんです。脇山さんは「博多織デベロップメントカレッジ」の2期生です。 ・博多織を始められたきっかけは何ですか。 ものづくりには以前から興味がありましたが、博多織を始めようと決めたのは…

interview

2015.08.14/

「博多伝統工芸」ー博多張子「三浦隆」先生

今回ご紹介するのは博多張子の「三浦隆」先生です。博多どんたくのにわか面や十日恵比須の飾りの鯛などで親しまれている「博多張子」について三浦先生に伺いました。 ・「博多張子」の歴史について教えていただけますか。 張子は中国か…

interview

2015.08.05/

「博多伝統工芸」ー博多人形「稲富昭満」先生

今回は博多人形師の稲富昭満先生を取材しました。先生は「伝統工芸士」に認定されており、3度の内閣総理大臣賞を含む多くの賞を受賞された博多人形の名匠です。伝統的な人形はもちろん、高さ2メートルを超える力士の博多人形や高さ10…

interview

2015.07.24/

「博多伝統工芸」―博多織「宮嶋美紀」先生

今回は「博多織」の宮嶋美紀先生にお話を伺いました。「博多織」は、今から約770年前の鎌倉時代にその起源があると言われ、1600年代に黒田長政が幕府に献上したことから、「献上博多織」として広く知られるようになりました。 ・…

interview

SEARCH

  • What's The Project
  • FUKUOKA BUSAN CAFE for BUSINESS