福岡県筑後地方が発祥の「黒棒」は,素朴で飽きのこない爽やかな甘さのお菓子。今では,幅広い世代に愛される九州の伝統的なお菓子となっています。今回,この昔懐かしいお菓子「黒棒」を,厳選素材を使って職人の経験で丁寧に焼き上げる「川添製菓」をご紹介します。
川添製菓は先代社長が昭和三十五年に創業。「おこし」で菓子店としての基礎を築き,三十年ほど前から同じく純黒糖を使う「黒棒」を焼き始めています。
川添製菓では,安心して食べてもらいたいと吟味した素材のみを使い,一つずつ手作りで焼き上げています。地元筑後産石臼焼き小麦粉,新鮮な鶏卵,そして黒糖では最高の沖縄宮古島産純黒砂糖で生地を練り上げ,一晩熟成。オーブンで焼き上げた生地を切った後に,黒砂糖を溶かした蜜を塗り,乾燥させます。こうして出来た黒棒は,口にしたときに外はサクッと,中はふんわりと柔らかい食感になります。なんでも,焼き立てよりも数日経った黒棒は味がなじむのだとか。平成25年度には,第26回全国菓子大博覧会で金賞を受賞しています。黒棒の他に生姜風味の「白棒」,抹茶味の「抹茶棒」も作られており,多い日には,一日に5,000個も焼き上げるそうです。
また,川添製菓の店内には,南国宮崎県産の「黄金千貫」というさつまいもを使い,手作業で砂糖を丁寧にまぶし,柔らかく仕上げた「芋かりんとう」や福岡県那珂川町の美味しいお米を使用した「黒糖おこし」「博多ピーナッツおこし」などバリエーション豊富な昔懐かしいお菓子が並んでいます。大粒のそらまめをカリッと煎り上げ,純黒砂糖をまぶした「黒糖そらまめ」も根強い人気を誇ります。
川添製菓のお菓子は福岡市南区野多目の店舗の他,天神三越でも購入が可能です。全国の百貨店へも年に数回出張販売もされているそうです。福岡を訪れた際には,昔懐かしい「かわぞえ」のお菓子を是非ご賞味下さい。
※「川添製菓」の位置
福岡市南区野多目2丁目7−5