福岡トレンド

2012.04.09/INTERVIEW

ALL MY LOVING デザイナー 天本誠司 氏

福岡を拠点に活躍するファッションデザイナー・天本誠司さん。ジャパンファッションデザインコンテスト大賞、装苑賞入選、国際ファッションデザインコンテスト入選など、学生時代から華々しい賞歴の持ち主。自身のブランド「ALL MY LOVING」では、福岡の伝統工芸品「博多織」を取り入れたデザインを発表し、釜山でもお披露目。福岡で、今いちばんアジアに近いファッションデザイナーです。

―まず、自身のブランド「ALL MY LOVING」について教えてください!
「コンセプトは“Made in Fukuoka”。クチュールのデニムブランドで、“カジュアルすぎないモードとしてのデニムファッションの提案”というのをテーマにしています。」

―一着一着、丁寧な手仕事に定評があるとか。デザインを考える上でのこだわりとは?
「小さなところに驚きがあるよう、細部のデザインにこだわっています。具体的には、博多織やプリント生地の部分使い、襟やポケット、カフスなどにも細かいデザインを施し、立体的に仕上げることですかね!全体を派手にすることはいくらでもできるけれど、普段着ることができないと意味がないので。人が着て美しいフォルムだったり、着ている人がより素敵に見えるもの、という範囲内でどれだけ自己表現ができるかって考えます。そうすると、やっぱり細部のデザインになっちゃうんです。また、毎シーズンデザインは変わりますが、着心地と共に、シルエットというのは、年中通してこだわっています。」

―自身のブランドを展開しながらも、イベント、CM衣装のデザインにも精力的で、幅広く活躍されていますね。福岡に拠点をおいて活動されている理由とは?
「一番は、福岡が好きだということ。あとは、東京に負けたくない!ということですかね(笑)地元愛です。自分を育ててくれた方や、先人たちが作ってきた服作りの基盤を自分たちが残していきたいと思って。」

―福岡の魅力って何だと思いますか?
「悪い意味にも取れるかもしれませんが、のんびりしているところですかね(笑)あまり生活に追われずにクリエイションできる。そこはとても魅力だと思います。コンパクトな街だから動きやすいですしね。」

―最近では、日本を飛び出し、韓国・釜山でも活躍されているそうですね!
「2011年10月に開催された韓国唯一の国際ファッションショー「プレタポルテ釜山」に呼んでいただいたのですが、一言で言うと、楽しかったです(笑)毎年日本から1ブランドしか参加できないので、非常に貴重な経験でした。僕はいま東京コレクションなどにも参加させていただいているのですが、釜山のファッションシーンは、それと比べても遜色ない感じで、非常に活気のあるイベントでしたね。市をあげて盛り上げていこうっていう意志を強く感じました。」

―天本さんは、福岡発のファッションイベント「福岡アジアコレクション(FACo)」にもデザイナーとして参加されていますよね。福岡と釜山のイベント、それぞれどのような印象を受けましたか?
「まず、FACoは、ガールズファッションのお祭りですが、プレタポルテはモードのファッションショーなので全く正反対のものなんです。福岡はイベントとして楽しんでいる感じがしますが、釜山は純粋にファッションが好きで、ファッションを見に来ている感じがしました。釜山はどのファッションショーも毎回満席。福岡と同様、ファッションに対する関心の高さをすごく感じましたね。」

―「プレタポルテ釜山」では、韓国(釜山)のデザイナーさんたちとも交流はあったのですか?
「今回、あまり交流する機会というのはなかったのですが、韓国のファッション業界事情については少し話を聞くことができましたよ。韓国でデザイナーとしてやっていくには、企業に入らないと難しく、その企業に入ること事態も困難だそうで・・・。中でもいちばん驚いたのが、デザイナーとして企業に入るには、自分がそのモデルになることができなければならないということ。スタイルも見られるらしいんです!日本とは仕組みが全然違うようでした。」

―厳しさという面では日本も韓国も同じということですね。それでは最後に、福岡をアジアのファッションの拠点にすべく、今後行っていきたいと思っていること、目標や夢などあれば教えてください!
「アジアに出ていきたい!と思っています。日本ってファッションの歴史は浅いから、対ヨーロッパになると、ただ単純に行っただけじゃ勝てない。そこと勝負するには、まずはアジアできちんと自分のファッションの地位を確立させなきゃ戦えないと思うんです。欧米だと日本=東京となってしまうけれど、アジアならば福岡の地の利を活かせると思いますしね。あとは、安売りのファストファッションの流れが強い今こそ、きちんと“良いものはいい”と価値を認めてもらって、ファストファッションにはない価値というものを福岡からアジアに発信していけるブランドにしたい。そうすることで、福岡をファッションの拠点として海外から見てもらえる何かに繋がるんじゃないかなって僕は思っています。」

天本誠司(あまもと せいじ)
福岡県小郡市出身。福岡市内のファッションデザイン専門学校卒業後、アパレルメーカーでデザイナー・パタンナーとして活躍。2008年に独立し、本格的に自身のブランド「ALL MY LOVING」での活動を開始。最近では、自身のブランド展開をしながら、ウエディングドレスや舞台衣装、他社ブランドのデザイン・パターンの制作、各種教室の講師なども務める。

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